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そよかぜは、放物線を描きながら、まだ見ぬ世界をもとめて、吹きわたる。
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シイタケ栽培をはじめた。

シイタケには、原木シイタケと菌床シイタケの2種類がある。原木シイタケとは、クヌギなどの原木に菌を植えつけて栽培されるシイタケ。乾燥させた原木に種菌を植え付け、菌糸を原木に活着させる。あとは少しの手間はあるものの、自然の力で成長させる。栽培期間は2年以上で、収穫時期が春と秋のみ。そのため、一年を通して市場に流通するのは乾シイタケがほとんど。

一方、菌床シイタケは原木の代わりにおがくずや穀物などを主原料とした菌床で育てられる。真っ暗で湿度の高い室内で、人工的に栄養が与えられるため、原木シイタケに比べて栽培がはやい。収穫のサイクルは3か月から半年ほどで、市場には一年中、生シイタケが流通している。

購入した栽培キットは菌床シイタケ。「どうせ栽培するなら原木がいいな」と思いつつ、周りの環境を考えて栽培キットを選んだ。中にはおがくずなどで形成された円柱型の菌床。直径15cm、高さ20cm。すでにシイタケ菌が植えられており、シイタケらしき白い物体が菌床の側面に見えている。側面を軽く湿らせ、透明の袋の中に菌床を入れる。菌たちが呼吸できるように、袋には小さく穴を開ける。あとは部屋の温度を管理して、新聞紙で覆って待つ。

「こんなのでシイタケなんかできるのかな」

はじめの2、3日は新聞紙をめくって中を確認することの繰り返し。シイタケ菌からすれば、いちいちのぞかれてたまったものじゃない。ということで、一日放置してみた。4日目の朝、中をのぞき込むと白い物体が膨れ上がっていた。シイタケらしさはないが、確かに成長していた。菌たちは生きている。

それからはあっという間だった。白い物体は少しずつシイタケらしさを持ち、次の日にはきちんと傘を広げていた。ここまでたった10日。その成長スピードには驚かされる。風呂場のカビがすぐに生えるわけだ。シイタケは菌床の側面にぎっしりと育った。傘の裏を確認し、ヒダの膜が切れていたので、胞子が飛ぶ前に収穫した。大きいものから小さいもの、整った形からいびつな形まで、さまざまなシイタケが育った。

ヒトには見えないが、菌たちは確実に生きている。今回のシイタケ栽培のように、私たちは結果でしか彼らの存在を認識できない。風呂場のカビだって、カビが発生してから認識する。しかし、彼らは突然生まれたわけではない。ずっとそこにいて、ずっと生きている。だから結果が生まれる。彼らはいつも私たちのそばにいる。当たり前だけど生きている。

岡部悟志

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